テキレボEX2【湯布院08 7's Library】で参加している なな と申します。
Twitter界隈(?)ですとネプリ同時配信企画ペーパーウェルの運営の片割れ、現在催中の創作TALKの中のひとの方が伝わりますでしょうか。ご存知でない方はこの機会に(?)ぜひこの2つの企画もお見知りおきください。ただのダイマですみません。
と、いろいろ企画運営をしているのですが、もう1つ運営している企画があります。
育児アンソロジーです。企画名の通り、育児がテーマのノンフィクションアンソロジー。
ここでは、この育児アンソロジー1の装丁について、そもそも装丁にこだわるようになったきっかけからご紹介させていただきます。
【目次】
1:装丁にこだわるようになったきっかけ
現在、一次創作の文章系メインで活動していますが、装丁にこだわるようになったのはここ数年です。きっかけは、象印社のくまっこさんの図書館・図書室アンソロジー「書架にねむる。」に出逢ったことから始まります。
●図書館・図書室アンソロジー「書架にねむる。」
アンソロジーという存在、表紙イラストを他の方に描いていただくこと、作品に合わせた装丁や小物をつけることなどなど、私にとってはどれも初めて尽くしのご本で、こんなことが個人でつくる本でできるんだ!とすごく感動しました。特に図書館で借りる本をイメージされた装丁はすごいです!(写真参照)
今はもう絶版になってしまっていますが、本当に素敵な本です。テキレボのサイトに投稿した感想はこちら。
図書館・図書室アンソロジーですっかりくまっこさんのファンになった私は、くまっこさんがその次に企画された方位・羅針盤アンソロジーが公募だったので、手をあげてみました。これまたすごい素敵なご本でした。現在は絶版……(以下略)。自分のブログに載せた感想はこちら。
●空想のまちアンソロジー「ぼくたちのみたそらはきっとつながっている」
現在も頒布されている空想のまちアンソロジーにも参加させていただきました。お手製ブックケースがすごく素敵です。今回のテキレボEX2でも頒布されています。購入URLは以下よりどうぞ。自分のブログに載せた感想はこちら。
●ゆきのふるまち
空想のまちアンソロジーのきっかけとなった、くまっこさんの個人誌「ゆきのふるまち」もめちゃくちゃ素敵です。デザインの一部は空想のまちアンソロジーにつながっていたりします。
●クマの豆本製造ライン
豆本とありますが、豆本以外の普通の製本や思ってもみないようなアイデアやアイテムを使った自分でつくれる本の作り方が掲載されている手製本です。世の中にはこんな道具があるんだ!とかもうホント、本をつくる夢が無限大に広がっていく本たちです。
●ほんをつくりたい。/本を作るときのはなし。
豆本製造ラインシリーズより気軽に手軽に読めるサイズ感の2冊セット。でも内容はぎゅっと詰まっています。見ているだけでも楽しい本です。
というわけで、私がいろんな本をつくってみたい!と思うきっかけになったくまっこさんのご本、ぜひご覧ください! 上記以外にも猫の写真と小説、エッセイなどを組み合わせた「ねこのはなし」、育児エッセイ+旅行記+イベントレポートを組み合わせた手製本とかもおすすめです。
ここで終わりにしたら企画主催さんに怒られるかな? いや、装丁の素敵な本の話とかノウハウ本の紹介はしているから意外とOKかも? なんて思いながら、くまっこさんの本に憧れた私がつくった本のことをお話しますね。
(人生で初めて自分が「憧れた」ものかもしれません)
2:育児アンソロジー1の装丁について
くまっこさんのつくるご本にふれて、そのエッセンスが詰まったノウハウ本を読んで、わたしが一番素敵だなと思ったのは、「内容は重要! でも内容に合わせたかたちを与えることで、本をまるごと楽しめたらもっと嬉しいよね〜」(ざっくり)という考え方でした。
“まるごと”というのはなんなのかと問われると私もうまく説明できないのですが、私の中では以下のようなことかなと思っています。
・つくる過程や本の外観を見てその本がほしいと思えること
・本を実際に手に取って、ページをめくるときに中身がどんな本だろうとわくわくどきどきすること
・読み終わった後、本の表紙やデザインを見て、そこに本の世界観を見つけてきゃーってなる
・本を眺めるだけで楽しい
※本を読んでいる間の楽しみはもう当たり前なので省きます。
そういうことを考えて作ったのが育児アンソロジー1でした。
「イメージはおうちです。こどもたちのおうちを読者にのぞいてもらいます(笑)」
って、表紙イラストを描いていただくときに書いたコメントがメイティに残っていました。
(ちなみにこのアンソロジーにくまっこさんをお招きできたのはただの偶然でしたが嬉しかったです。)
具体的なこだわりは以下です。
●表紙イラスト
育児アンソロジーをつくろうと思ったときから、月島あやのさんにお願いしたいとずっと思っていました。あやのさんご自身もお子さんがいらっしゃって、アンソロジーにも4コマ漫画でご参加いただいていますが、表紙は有料でお願いしています。あやのさんの描かれる子どもたちは本当に魅力的ですし、小物や背景のチョイスも良くて、なによりとても丁寧に描いていただけて、感謝しかありません。
さらに、あやのさんのアイデアでファンタジックな感じに仕上げていただいています。これが私の好みにとても合っていたのと、個人的にどんなノンフィクションもフィクションが混ざるという認識があるので、その感じともすごくマッチして、本当に、すっごく嬉しい尊さ1000倍で死ぬ(語彙力ないけど伝われ)みたいな感じでした。
※ただこれは、約1年間月島あやのさんとコラボネプリを配信し続け、コミュニケーションを取り合い、お互いの好みとかをある程度理解していたために出来た部分があると思っています。もうホント私はめちゃくちゃうるさいので、毎回あやのさんげんなりしていたのではないかと← が、その辺のいろいろがこの素敵な表紙につながったと思っています。
☆表紙イラストができるまで
1:ラフ案 2:下書き案 3:下書き案(コメント付き) 4:背景の元となった写真 5:出来上がり
●穴を空ける
表紙の子どもたちの顔の位置に合わせて丸く穴を空ける(しかも穴のサイズがバラバラ!)という鬼の仕様を考えたのはいったい誰……?と真夜中に量産しながら思いました。が、その鬼の仕様のおかげでイメージぴったりの本の外観ができあがりました。この穴の発想はくまっこさんの空想のまちアンソロジーのブックカバーの穴なのですが、1つならともかく、こんなにたくさん空けちゃいけんかったな(とおいめ)……と。
●見た目を楽しく!
穴もそうですが、カバーに付けた折り紙の星は小さいお子さんも喜ぶかなと思いました(これも折り紙から星型でぱっちんぱっちんくり抜いて、糊でぺたぺた鬼の仕様)。育児アンソロは親のための本ですが、そこに子どもは必要不可欠な存在です。その点で、子どもにも愛される本にしたかったです。カバーの穴も指入れてもらえそう(壊れるかも←)。
スピンは最初から付けるつもりでしたが、星型は偶然100均で見つけてかわいかったので……こういうちょっとした出逢いも大事。
●やわらかさとやさしさと
子どもと接するとき、前提にあってほしいものです。ホッチキスではなく糸綴じ製本にし、表紙の紙やカバーも手触りや見た目、色味のやわらかさやさしさを重視して選びました。
そうやって出来上がったbefore(一番最初の案)⇒afterです。
ただ、反省もあります。星型ビーズをどう収納するか考えていなかったことです。おかげで袋詰めするとちょっとこう、スマートじゃないかたちになりました。付属品をスマートにしまうというのは今後の課題です。
ちなみに、1はネプリ版でも配信しています。当然ながらただの中綴じ本です。それでもちょっとかわいめのリボンとかでくるってするとかわいくなります♪
本の内容に合わせた装丁をつくりたいという気持ちとは別に、装丁に関わらず、内容が良ければ読んでもらえる、ということもあってほしいなと思うのです。
育児アンソロジー1のネプリ版を配信したのは、このアンソロジーを読んでもらいたい育児中の人は、時間やお金にあまり自由が効かないだろうと思ったことが最大の理由です。ですが、同時に、装丁関係なく、中身が読みたいと思ってもらえる本にできたのかな、とも思いました。
内容が素晴らしくて、内容に合った装丁を組み合わせることでより楽しめる本になる、ということを実感できた本です。
最後になりますが、現在進行系でこの育児アンソロジーの2を制作中です。2は1をベースに、でも1とは違った楽しみ方ができる本になるようがんばっていますので、気にかけていただけましたら幸いです。
7's Library なな
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