Text-Revolutions Extra2参加、サークル「花月」の猫宮ゆりです。
装丁まとめ企画様の特集記事に1頁をいただける運びとなり、おじゃま致しました。
ここでは新刊『凍露』の装丁について語ります。
この作品は、「架空の北欧風ダーク寄りハイファンタジー」と銘打っていて、構想段階からとにかく「ダークな装丁にしたいな~」って考えていました。 できあがった本がこちら。
表1・表4(フルカラーカバーの)
(左)カバー下のモノクロ表1・(中央)表2とカラー口絵・(右)表3と最終頁
カバー下の表紙は、NBファイバー 160kg 濃鼠にモノクロ印刷です。 真っ暗な波間を入れたくて&この紙にすれば、印刷のない表2表3側も紙の地色で灰色にできますし。
遊び紙は今回はあえて入れないで、その代わり本文最終頁にも暗い波間の図柄を乗せて、疑似遊び紙っぽくしました。
口絵用紙は通常のコート紙 110kgです。ここだけが鮮明で、これもまた表したかった雰囲気通りに!!
フルカラーカバー全体像
フルカラーカバーはグムンドゴールド-FS 75kg プラチナに刷っています。 きらきらした特殊紙はたくさんありますが、この紙の手触りと偏光具合は独特。 こう、冠婚葬祭で持つサテンバッグのような触感……。
極夜と白夜を連想する感じになればいいな、と狙って選びました。
(左)本文もくじと序章・(右)本文
で、最後の最後まで、ほんとに入稿日まで悩んだのがこの本文用紙でして……。
『凍露』は、最初の段階から「書籍用紙グレー65.5kg」を使いたかったのです。 本編全体に薄暗さを出したくて……しかし、この紙、ちょいと分厚いという問題が。
本文は200頁少々だから、書籍用紙グレーでもまあ構わないといえば構わない。
けど、ライト書籍用紙クリーム(50kg or 55kg)かクリーム上質57kgにした方が薄くコンパクトにはなる。
現に背幅計算したら最大約7mmも違いが出る。
うーーーーーーーーん……と唸る日々でしたが、結局は装丁愛を優先し、使いたかった書籍用紙グレーで押し切ることに。
でも完成品が届いたら、「これにしてよかった!!!!」って心底思いました。
薄暗い。どこをめくっても薄暗い。
出したかった雰囲気だべや!!!! って鼻息荒くしました。しました。しました!!!(フンガー!!!)
それに書籍用紙グレー、厚みはあるけど軽いので、持った感じが重くない。
小口を見ても明らかにグレーになっていて、それもいい。
クリーム系の紙だったらこうはなっていないわけで、(自分内では)追求してほんとによかったなあと……。
ちなみに印刷所さんはコミックモールさんです。
当方の創作文芸の文庫は全部ここで刷っています。
カバーや表紙に料金内で使える特殊紙が豊富だから好き……。
★あとこの本、孔版印刷しおりがノベルティとしてつきます。
そっちはレトロ印刷JAMさんで「まっくろ」の用紙にゴールド刷りしてもらいました。
それもぜひおたのしみいただけましたら。
以上、『凍露』の装丁話でした。
おつきあいいただきましてありがとうございました。
テキレボEX2でも、どうぞよろしくお願い致します~。
花月 / 猫宮ゆり
コメント