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プロローグ
here/倉野敬
気が付いた時にはすでに異世界にいた。転生したのかそれともただ転送されたのか、まったく分からない。最後の記憶は、コンビニエンスストアの自動ドアが開いた瞬間だ。
異世界転生もののライトノベルが流行りだしてからしばらくたっているが、あまり興味がなくてひとつも読んでいない。タイトルくらいは聞いたことがあるという程度だ。まさか自分がその主人公になるとは思ってもいなかった。もしかすると、作品に影響されて転生した気になっている人もいるかもしれないし、本当に転生がこの世に存在しているのかもしれない。でも、自分にとっては無関係なことだ。意識していなかった事態が起こってしまったのだ。
幸いなことに、なぜか記憶のひとつに「レベルを最大にする」ことで元の世界に戻れるというものがある。自分がこの世界に入り込んだ際に、記憶にも何かが入り込んでいた。この世界での戦い方、生き方、物心がついたころから知っているような気がする。知らないのは、この世界で死んだら、元の世界に戻れるのか分からないということだけだ。
さて、考えているだけではレベルは上がらない。これからレベルを最大にする長い旅が始まる。
サークル
作者
自己紹介
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倉野敬
ゆるく長く、サークル20周年になってしまいました。オールジャンルイベントでは、どのジャンルで申し込むか迷うし、作品の傾向は書いた時の頭の中がだだ漏れなので定まりません。
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